「食べられない給食」…学校のリアル見える化プロジェクト

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学校のリアル見える化プロジェクトでは、全道各地の先生方から現場の声が寄せられています。

6月1日のTwitter(X)デモの際にも話題になった「給食時間は休憩時間ではない」という話題。

ベテランの養護教諭の先生が、こんな「見える化」の声を寄せてくれました。

給食時間、特に小学校ではいろいろなことが起こります。

  午前中がんばったけど、やっぱり体調がよくないから保健室に来ました。

  調子にのって、おかわりしすぎて気持ち悪くなっちゃいました。

 汁物をこぼして服がよごれたから貸してください。

これは実はかわいらしい方で、現実はもっとシビアです。

養護教諭の先生の給食が、放課後まで取って置かれているなんていうことはよくあります。

養護教諭だけではありません。担任をしていても、いろいろ起こります。

午前中の喧嘩の仲裁をしたり、やんちゃな子とちょっと混み入った話をするとあっというまに自分の給食を食べる時間がなくなります。

Twitterのリポストでは、「食べられなかった給食。隣の担任の先生がそっと取っておいてくれたときは、本当にうれしかった」というエピソードを教えていただきました。

こうして、学校現場は力合わせをしながら日々めまぐるしく動いているのです。

私たち道教組は審議のまとめが提示しているメリハリある給与体系は、職場の分断につながるよくないことと指摘しています。こうした無意識のチームプレーに溝が入ってしまうのではないかと思うからです。

昭和の時代から変わらぬ学校の日常が変わってしまったのはどうしてなのだろう。

そんなふうに考えることがあります。昔も今も、学校に子どもたちがいる時間の長さは変わらず、定められた教員の勤務時間も大きく変わっていないからです。

変わったのだとしたら社会です。この国のあり方です。きっと新自由主義という考え方のもとで管理と統制が厳しくなってしまったからなのだと思います。子どもたちが学ぶ学習の内容、学力・学習状況調査に代表される学力向上施策や、それにより学校にかかるプレッシャー…要因は様々でしょう。

私たちは、これまで日本の学校教育が大切にしてきた協力・共同の学校づくりに、これからも取り組んでいきたいと考えています。